【恋愛における鉄則】恋愛行為は紳士的に行わなければならない

ラブホテルに入るなりアンナは、はしゃぎ始めた。

ホテルであるのにフロントがないという僅かな矛盾から、すでにただならぬ違和感を察していたのかもしれない。

アンナは玄関に私を置いて、さっさと奥のベッドの部屋へと向かう。

しかし、私はいたって平静を装っていた。

私がベッドのある部屋へ入ると、そこには部屋に設備された大人のオモチャの自販機を熱心に眺めているアンナがいた。

私が入ってくる音を聞いて、びっくりしたようにアンナは振り向き顔を赤くした。

「ハヤク、DVDミマショウ」

「はい」

私は依然として平静を装い、テレビを点ける。

ここであえて間違ったふりをして、アダルトな動画にチャンネルを変えるのはナンセンスである。

恋愛におふざけは禁止なのだ。

こんな状況でありながらも、紳士的な態度に努めることが恋愛という方程式を解く鍵である。

私はDVDプレイヤーにアンナから手渡されたDVDを入れる。

そうして、私とアンナはテレビの前のソファに並んで座った。

電気をすこし暗くして、アニメを一緒に見る。

オープニングなどで博識をほのめかし、純粋にアニメを楽しんでいるようすをアンナに見せつけた。

一話見終えた。

その瞬間、私は右手にアンナの手の温かみを感じた。

私もアンナの手を握り返す。

そして、横目でアンナの唇の位置を確認し、勢いをつけてキスをした――。

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